HND考察:20180724やまそーさんのツイートからの考察
【鐘をいま打ち鳴らせ!…原詞を読む】
やまそーさん、今週もご出演、お疲れ様です!
今週もノートルダムの鐘出演です!
— 山崎聡一郎(やまそー) (@S_Yamasaki1026) 2018年7月24日
本作圧巻の一幕ラストは作品全体で象徴的な役割を果たす鐘の音と共に締め括られます。「鐘を今打ち鳴らせ」の箇所の原詞は「町を目覚めさせろ、警告の音を鳴らせ」。同じフレーズを、歌う一人一人が違う人に対して違う意味で発する、重層的な構造となっています。
【注意】この記事では、劇団四季ノートルダムの鐘のネタバレを含んでいます。
なんてこと・・・
こんなに何回も観劇していて、こんなに何回もCDを聴いているのに、
「鐘を今打ち鳴らせ」をいろんな役のついている人が歌っているって、やまそーさんのツイートを読んで初めて知りました…。
…カジモドが歌うこのフレーズを、(会衆という意味ではなく、音楽的な意味の)コーラスで追いかけて際立たせているだけだと思ってた…
あのシーン、あまりにもカジモドがカッコいいもので、毎回そこに魂のすべてを持っていかれていたので…
なんてこと!!! (/´△`\)
(冗談抜きにショックを受けています)
これは、絶対に他にも見落としがある…
ということで、原詞と、日本語歌詞を読みなおす準備を始めています。
こわいなぁ、どんな見落としを見つけるんだろう…はぁ…(-""-;)
さて、気を取り直しまして。
やまそーさんのツイートを拝見して、慌ててCDをリピートしまくり、歌詞カードにかじりついた私なのですが、エスメラルダのこの部分だけを読んでみても、これ、ものすごく興味深い。
まず、物語の味わいとして、興味深い。
そして、原詞→日本語歌詞への訳として、興味深い。
…沼、とは、よく言ったものです、まさに沼です……
まずは、英語と日本語の違いから触れてみます。
鐘をいま打ち鳴らせ
日本語で、カジモドが叫ぶこの歌詞。
私は、カジモドがエスメラルダの為に叫んでいるのだと思っていました。
エスメラルダの為に「(鐘突き男である自分よ、)鐘をいま打ち鳴らせ!!!」と自らを鼓舞しているのだと。
エスメラルダ!ここにおいで!
ここまで来たら僕が守ってあげる!
この鐘の音が聞こえる?火事の煙の中でも、
この音は聞こえるでしょう?
この音をたよりに、ここまでたどりつくんだ!
という叫びだと思っていました。
そのカジモドの想いが、次々に鳴り響く6つの鐘の音に乗ってエコーする様を表すために、コーラスが追いかけているのだと思っていたんです。
もう、勝手な思い込みですね(^^;
この解釈も、間違ってはいないのかもしれませんが、私はこのひとつだけの解釈が全てだと今までは思っていました。
しかし。やまそーさんがおっしゃる通り、原詞を見てみると、
Wake up the city and sound the alarm!
町を目覚めさせろ、警告の音を鳴らせ
(やまそーさんの訳をそのままお借りしました。)
ふむ。
カジモドも、町を目覚めさせろ、って言ってるんだ。
ちなみに、このフレーズは3回歌われますが、
①カジモド・市民たち
②フロロー・兵士たち
③クワイヤ
の順で、歌っています。
■カジモド目線で考えると…
なんでこの歌詞を歌うんでしょう?(僕、わかりません…)
街が目覚めちゃったら、みんながエスメラルダを捕まえようとしちゃうから、まずくない?でも、そう歌ってるんだ。なぜ?
警告の音を鳴らせ、は、何の警告なんだろう。鐘を鳴らしているのはカジモド自身。カジモドは誰に対して警告しているの?
■市民目線で考えると…
もしかしたら貴方の側に、危険な魔女のエスメラルダが潜んでいるかもしれないから、みんな目を覚まして!眠っていたら黒魔術をかけられるかもしれない、だから警告の音を鳴らすんだ!大助祭様の命令だし、逆らったら怖いから、目を覚まして警告に従って!
■フロロー目線で考えると…
おい!みんな起きるんだ!逃がすな、捕らえるのだ。これは神の思し召しなんだぞ、眠っている場合か!街が魔女の危険にさらされているのだ、警告の鐘を鳴らせ!!
■兵士目線で考えると…
国王陛下の命令なんだぞ、魔女を探せ、起きろ!まさか匿ってないだろうな、眠っている振りをして隠したりしてないだろうな!さぁ、この警告の音を聞け、一大事なんだぞ!
■クワイヤ目線で考えると…
この時、クワイヤさんはどの立場なんでしょう。このフレーズにたどりつく前の部分で、フロロー・兵士・市民と一緒に
探し出せ2人を 逃がすな捕らえるのだ
と歌っているので、エスメラルダを敵視している立場ではいるようです。積極的に探し出そうとしている市民なのか、その騒動に巻き込まれ、自分に火の粉がかからないように傍観しつつも、集団心理に飲み込まれて怒っている市民なのか。
ざっくり考えるとこんな感じだと思いますが、ここでやまそーさんのツイートを振り返ると、「歌う一人一人が違う人に対して違う意味で発する」とあります。
先日のバックステージツアーの際にも話題になりましたが、例えば女性3枠さんは、カジモドに対して最も嫌悪感を抱いている設定なんだとか。
エスメラルダを歌う時点でも、舞台上のすべての演者さんに、それぞれの人生(の設定)があって、ひとりひとりが違う思いで歌っていらっしゃるってことですね…!!!
そう考えると、胸が熱くなる…。
・゜・(つД`)・゜・
男性5枠さんは、この時、リッチマンの姿だし、兵士だって、序列があるだろうし。
あぁぁぁ今すぐ舞台を観に行って、じっくり考察したい…
そして、パンフレットの該当シーン、56ページと57ページを食い入るように見つめ、感動している私です。
日本語歌詞を繰り返し聞くこともいろんな発見に繋がりますが、やはり、原詞を読むことはめちゃくちゃ大切です。
Wake up the city and sound the alarm! を
鐘を今打ち鳴らせ と訳したそのセンス…!!!
と、そこを掘り下げるのはまた今度にして、このフレーズを中心に、少し前をたどってみるだけでも、めっちゃオモシロイ。
例えば、日本語歌詞でフロローが
あの女は悪魔だ
って言ってますが、これに該当する原詞は
The devil dwells in Esmeralda
(悪魔がエスメラルダの中に宿っているのだ)
そして
Resist his charm...
(奴[悪魔]の魔力を押さえねば)
って言ってます。
原詞では、彼女自身が悪者だとは言ってないんですね!
あくまで、彼女の中に宿っている悪魔が悪いと。
「his charm」…彼、と言っているもの。herとは言ってない。
あと、それよりちょっと前の歌詞の、
The flames grow tall
(炎は高く立ち昇る)
And sharp as fleurs-de-lis
(フルール・ド・リスのように鋭く!)
とか!
Wikipediaより引用
フルール・ド・リス(仏語:fleur-de-lis もしくは fleur-de-lys)は、アヤメ(アイリス)の花を様式化した意匠を指し、特に紋章の場合は政治的、王権的、芸術的、表象的、象徴的な意味をも持つ
エスメラルダの炎はフルール・ド・リスのように鋭く立ち昇るんですよ、奥さん!
ちょっと、すごくないですか、これ!
う~ん、原詞と日本語歌詞を並べて考察したい。
いや、します。
準備しています。
Be Preparedですよ(LKネタ…)
今回も、お読みいただいてありがとうございました✨✨✨