HNDレポ番外編:【2018.11.16 達郎さんのラジオ出演】

HNDレポ番外編:【2018.11.16 達郎さんのラジオ出演】

 

 

2018.11.16に達郎さんがラジオ:KABUKI TUNEに出演されました。


歌舞伎俳優:尾上右近さんのラジオです。

普段あまりラジオは聞かない私ですが、この日はリアルタイムで聞くことが出来ましたので、パソコンにメモをしながら拝聴しておりました。

録音はしていませんので、リアルタイムに流れていくラジオを、私がタイピング出来る限界の速度でメモをしたものです。
抜けているところも、言葉が違うところもあると思いますが、記録しておこうと思います。

 

 


Q.入団から8年で主役は早い?おそい?

A.これまでの演目では年配の男性か女性が主役のことが多い。
受かった時は信じられないという感覚と責任、プレッシャーを感じた、でも喜びが大きかった。
ノートルダムの鐘という作品がもともと好きなので、すごくありがたいなと。


Q.カジモドを演じるうえでの工夫

A.まず、演じないと言うことを心掛けている。
演出家に言われた言葉、役の前で透明でいなさいと言われている。
カジモドは体を捻じ曲げて演じる、右肩が上がった状態、声もしゃがれている。
自分がハンデを追っているとか、宿命を背負っていると「演じ」にいくと、それを演じている飯田達郎になってしまう。
その役と重なること、その役と一体になること。その役を演じる時にすごく考えた。
お稽古中に体からふっと力が抜けた時に、身体的に重なる感じがあって、自分の中にあるカジモドが重なった。
この役はだれしもの中にあるキャラクター。誰もが持つコンプレックスが体に表現されている。

 

Q.歌との繋がりは難しいんじゃないか?

A. ジョイントしていく難しさがある。
カジモドは頭の中でずっと美しい妄想をしている。その時はしゃがれた声が今僕がしゃべっているこの声に戻ってくる。
体のゆがみも空想の世界の時はちょっともどる。その時は石像もしゃべりだす。
現実の人が表れると、体のゆがみも元に戻り、石像も黙って、照明も変わる。
そこの部分のコネクションは難しい。
歌になるとお客さんの気持ちも昂る。歌舞伎の抑揚と似ていて、俳優の心が大きく飛躍していくときに歌になる。
心がもう発散できないって時に歌になるのがミュージカルの決まり。
カジモドがそこにジョイントしていくのは難しかったけど、今僕はそこにすごく情熱を持っていく。

 

観客で見た時に、役者として、どう歌に繋げているのか聴いてみたかった。

 

Q.達郎さんがこの作品を愛しているところは?

A.演出も素晴らしいけど、やっぱり音楽。
アランメンケンという作曲家、ディズニーの主要な曲は彼が書いている。
どれもすごくキャッチ―で、印象に残る曲。
今回は大聖堂が舞台なので教会音楽が出てくる。彼がもともと持ってる曲の感じとは違うものがたくさん入っている。
普通のミュージカルよりちょっとオペラより。
お芝居と曲のジョイントがナチュラルに出来ている作品。
ミュージカルって突然歌うから苦手だという人も受け入れやすかった。
アランメンケンもこの作品が一番好きだと言っていた。

 

MOS聴いて欲しいポイント:ハイトーン、Bフラット

 

■なんでもベスト3

達郎さんがハマっていること

 

3位:ひとりアカペラ
多重録音。
小さい時から家族と合唱をしていた。小さいころから合唱の練習を見に行くのが大好きで、帰りには4パート覚えて帰ったりしていた。今も好き。
ひとりアカペラ、多重録音を楽しんでいる。
まずボーカルを入れて、ビートボックスを入れて、コーラスを入れて、エフェクトをかけて聞く。自分の声だから、合う。
CMの曲とか四季の曲とかをやる。

 

2位:釣り
ブラックバスを釣る。
海は小学校の時に。週末は土曜日は合唱、日曜は家族で釣り。
劇団に入ってからは2・3回しかやれてない。湖に行くと日に焼ける、今やってる役は日焼けが出来ない、けどこないだは琵琶湖に行ってしまった。日焼け止めを塗りまくっていたおかげで、焼けなかった。
朝早く4時前に出た。
ボートは暗い時間だと危ないので6時にしか出れない。
すると風がなくて凪で、向こうの景色がシンメトリーに写っていて、朝もやのなか、静かな湖面に糸を投げて、水鳥が飛んでいく姿とか、素敵。


1位:歴史のドキュメンタリーを見る
自分の知らない知識を得る。
携帯の動画で見る。寝る前の2時間や3時間はそれをやっちゃう。

歴史が大好きで、日本史が大好きで、幕末が好き。坂本龍馬。自分の命を削って国の為に生きた姿がスゴイ。
本気で国を変えてやろう、って人って今は少ない。
そういう昔の人の情熱とか、人間臭い所に惹かれる。

 

豆知識、最近見つけたのは、永久運動装置、モビールっていうのかな?鉄の棒がT字になってる、接合部分が遊びになっていて、ちょんって触るとずーっと動いている、そういう科学のオモチャ、その仕組みとか、ピタゴラスイッチとか大好きでずっと見ちゃう。
仕組みを見るのが好き。


これは世の中のこんなことが基になってるんだろうなとか。
知識を入れるのはとても好き。


■曲紹介:Baby Boo 「Love knot」

この曲は高校生時代、NHKののど自慢に出た時に歌った曲。優勝した!!!

 

Q.(達郎さんから)右近さんに質問がある。
四季では心が動く瞬間を折れという。折れはブレスと連動している。
例えば、嬉しい時は「ハッ」とブレスが急激になる。
歌舞伎ではブレスはゆっくりだと思うけど、どうやって心の変化を表現しているのか。

 

A.歌舞伎でも息はかなり大事。間とか。
その間に気持ちの変化を狂言する。
セリフを発するまでに気持ちを入れる。しゃべりながらではなく。
普段しゃべるものに節がついているが、
カタがある場合、義太夫という三味線が入っていて、音楽的なセリフ回しがあるが、歌うようなものの場合も、気持ちを先に作っておいてコミットさせていく。
達郎さんの歌と離れていないものがあるんじゃないか。
メロディに合わせて気持ちを表現する。

 

■歌舞伎の一節への挑戦

やってみますか???
節回しをやってみたいとおっしゃっていたので。

 

義経千本桜 忠信編」という演目一節。
ミュージカルみたいに三味線のメロディにのってやるもの、節回しもある。

 

やぁ汝らごとき分際にてこの鼓を奪わんとは
胴より厚き面の皮
いで打ち破って かーっかーっかーっかーっ
くれべぇかぁ
(って聞こえました……)

 

難易度高い。
口の開け方が、口を横に開くというイメージ。
立ち役では、歯を見せないようにしゃべる。
はっきり口を開けるという文化がない。

四季では開口を大切にします。

 

(ここで、先ほどの演目を達郎さんが実演!!!!!)

 

音の鳴り方が独特。
頭蓋骨の響き方とか。
軟口蓋、風邪ひいた時に痛くなるとこ、ここの使い方が独特。
当たり方が独特。

 

もっかいやります??
えええええっ

(で、もっかいやった!!!!)

 

感覚的というより、耳で聴いています。耳で覚えないと出来ないので。
すみません歌舞伎ファンの方💦
何十年もかかって体得された技術をこんな数秒ではマネできないんですが…
学んでみたいと思います。

 

いい勉強になりました。


■曲紹介:天国の光
カジモドは幼い心を持っている。
可愛さの中にもこれから大人になっていくといことが見えている作品。
下の音域から上の音域まで幅広く入っている。
いろんな楽しみ方が詰まっている作品。


■締め

舞台俳優という、お客様に物語を楽しんでいただくという者同士、共感できるところ、繋がる部分がたくさんある。
嬉しかった。

 

***
メモはここまでです。


今回も、お読みいただき、ありがとうございました✨✨✨