舞台レポ:【2019.7.26 MIBURO】

幕末疾風伝MIBURO~壬生狼~
を観劇してきました!!



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TAFプロデュース|殺陣をきわめる「期間限定プロジェクト」|東京都

わ、わたしも生きるっ……
人間ひとり分のじんせいを燃やして生きるっ……
。゚(゚´Д`゚)゚。
ってなりました……!!

 

この舞台は、2つの意味で「命を燃やす」ことを考えさせられました。

🔥ひとつ目は、ストーリーそのものから。

幕末の新撰組を「内側」から見たらこうなるのか、と。京都に生まれ住みながら、新撰組、もとい、日本史に疎くて、最初のカオル状態の私ですが、動き出してしまった大きな歯車はもう止められないあの感じ、とても考えさせられました。


🔥ふたつ目は、演者さんの姿から。

後でもう一度書くことにしますが、どんな人も、人間ひとり分の人生しか生きることが出来ない。その一人分の人生を何に燃やすか。どう頑張っても二人分を生きることは出来なくて、与えられた一人分の命をどう使っていくのか。そんなことを考えながら舞台を拝見しました。

 

今回、初めて本格的な「殺陣」を拝見しました。
それも、前から4列目という前方席での観劇でしたので、その迫力たるや!
緻密に計算された動き、お互いを信頼しているからこその本気のフルスイング、刀同士がぶつかり合う生の音。そこに加わる、音と照明の相乗効果。
月並みな表現しかできませんが、その月並みな表現の中に書く内容が全て満たされているからこその迫力でした。ひとつでも欠けていたらあの迫力は出ないし、あの安心感は得られなかったと思います。とても危険な動きの連続なのはわかっているのに、安心して観ることが出来る感じ。“ すっげぇ ” のに “ 安心 ” して観れるってすごいことですよね。

 

さて……ここまで書いてきて、今回のレポートをどんな形で進めるかなって悩んでいるんですが、ストーリーのネタバレはしたくないし、劇中に散りばめられた仕掛け(曲、とか、光、とか、ね)もネタバレしたくない。
そこで、印象に残ったことを順不同で書いていこうかなと思います。

 

これからご覧になられる方は、へぇぇぇそんなことがあるんかい!って楽しみにしてください。
もうご覧になられた方は、そうそうそうそうそうだったよね!って思い出を共有しましょう。

 

■まずは、私の推し様のことを!
【ここ、ネタバレです。気になる方は飛ばしてください】
今回は、私の推し様のおひとり、宮本優輝さんを観に行ったわけなんです!
殺陣をされることは知ってました。あの長身で、あの長髪で、和装されることも知ってました。そこまでは知ってたけどさぁ!!!

(そして、予想通りのカッコ良さね✨)

(和装が似合わないわけないもんね!まじ、惚れるから。ほんで、殺陣ね、カッコ良すぎるよね。ほんと月並みな感想ですけど、カッコ良いわな!!宮本さんだとはっきり認識して観れたのは、死ぬところだけだったんですけど、それまでの斬られ役も必死で探したのよ。もっと観たかったなぁ(>_<)←ワガママ。そして、扇子のシーンの、可愛さね!!あの笑顔は、反則だよね✨)
まさか、歌声を聴けるとは!!!
前回その声を拝聴したのは、比較的小さなサロンでした。今回は大きなホールで!
響くねぇぇぇぇ。特に中音域のロングトーンがとてもきれいに響いていて、痺れました。
あぁ、もっと輝いて。あの瞬間、舞台は貴方のもの!

 

■あのねぇ、この舞台は、ジェットコースターです。前半、ゆっくり登っていきます。ちょっとじれったいくらいにゆっくり登りつめていって、頂点まで行ったら一気に動き出します。
猛スピードで動いて、そしてまた登って、何回も頂点が来るの。
最後はもう振り回されっぱなしです。めちゃくちゃGを感じます。幕間が10分しかないんですけど、ここでしっかり給水を取って、英気を養っておかないと、2幕で振り落とされますよ。
特に2幕後半は、怒涛です。まさに、怒涛です。

 

■「人」を際立たせる演出だなって思いました。私は今回がMIBURO初観劇だったのですが、今年で3年目とのこと。きっと過去のMIBUROは、今回拝見したものとは違っていたんではないかな、と推察しました。
今、この時、ここに集まった演者さんが持っている旬の持ち味を生かしている感じ。
クロバットも、歌も、キャラそのものも、舞踊の要素もバレエの要素も、きっとあの演者さんだからこそ引き出された特別なテイストだったんじゃないかなと思いました。
だから、ひとりひとりの輝きが半端ない。そこら中でキラキラがキラキラしていて、今この時しか見ることのできない、特別な宝物を観た気がします。

 

■選曲!!選曲ねwww ちょっとオールディーズなのねw もう、ツボりまくりました。
ここでその曲っすか!!ってなる。大事なシーンで、ズドーンと撃ち抜いてきます。

曲ぅぅぅ!!!ってヤラレてたら、次は舞台上の演出のカッコよさにヤラレます。
しかもそれが1回だけじゃないの。1回目は「ここで今その曲?!」ってビックリさせられるんですけど、2回目からは、ほらほらぁぁぁキタキタぁぁぁってなりまして、もう、その、仕掛けられたノリに全面的にノリに行っちゃえる。
楽しいしカッコイイです。

 

■衣装がとってもカッコイイですよね!そして皆さん和装がめちゃくちゃ似合うんです!!!
私はアメリカに住んでいた時、この黒い目と黒い髪と、エキゾチックな色の肌をとても誇りに思っていたし、和装が似合うのは日本人の特権だ!と思っていましたが、その誇りを改めて思い出しました。最近はフランスが舞台の作品を観ることが多くて、日本人がフランス人を演じている姿をよく見るんですが、やっぱり日本人には和装が最高に似合うよね!って思いました。
剣士の衣装は私のツボです………痺れる……カッコイイかっこいいカッコイイ!ほんま、オトコの和装ってなんであんなカッコ良いんでしょうね、もう、ヨダレものです。
そして、花魁の皆さんの着物の華やかなこと!私はあんな色っぽいキャラではありませんが、一生に1回くらいは着てみたい。皆さんとてもお似合いで、着物だけではなく髪もお化粧もとても美しかったです。

 

■京都弁ね。難しいよね。( ̄∇ ̄;)

京都に生まれ育った私でも花街の言葉は難しいもん……。みんながんば!

 

■そこら中に散りばめられているパロディネタねwww
探偵もの、お好きなんでしょうかねwww
真実は……とか、地獄の業火に……とかさ!
めっちゃ楽しかった!

 

■私、京都に住みながらなんで新選組に興味を持たずに生きてきたんだろう。
洛中から見ると、伏見は京都の「外」なんですねw
こんなに忌み嫌われた集団はない、か……。

そうなるしかなかった時代の流れも、それでも生きた彼らの命も、ちゃんと勉強したら、これ、沼ですね。

そりゃ、ハマる人多いわ!

ミュージカルのマリーアントワネットを観たときも思ったんですが、なんとまぁ、どこをどう解いても救えない絶望なんですよね。複雑に絡み合った歯車は、どこを直しても大きな動きの中に飲み込まれてどうしようもない。
切ないけどもどうしようもなくて、その中でそれぞれがどんな選択をして人生を全うするのか。
私自身もまた人生の悩みの中にいて、すごく考えさせられました。
私はいったいどんな歯車の中を生きてるのかなぁ。

 

……と、徒然なるままに綴ってきましたが、今回、この舞台を拝見して一番感じていたことを最後にひとつ。


殺陣すごいなぁ、って最初は圧倒されて全体像を遠くから拝見していたんです。
全体をぼーっと観ているような状態だったある瞬間、視界の一点に私の意識が集中しました。

女の子が、いる!

女の子が、殺陣の中でその一連の動きを支えている………。

 

ちょっと自分語りになってしまいますが、私はスキーでプロを目指していたことがあります。 “ 見せる ” プロです。
私は身長も低く、筋力も人並みしかありません。運動のセンスも、人並み。むしろ、スキーに関して言えば、センスが「ない」方でした。
そして、なによりも、女でした。
スキーは、重力をスピードに変えて見せる競技。重力を自分のパワーに変えるためには、ブレない骨格と筋力が必要なんです。その点で、どうしても女は不利でした。生まれついての骨格が、重力を支えることに向いていない。
女だから。
それで何度涙を流してきたことでしょうか。
それでも、女だからこそ出来ることがあるはずだ!ともがきました。
実際、女だからこその強みがないわけではない。でも、センスを持ち合わせていなかった私は、結局最後まで苦しんで終わりました。

 

殺陣=男性、っていうイメージを持っていたのは私の間違ったイメージなのかもしれません。
でも、今回この舞台を拝見して、女性が立派に活躍されている姿を見て、自分の中で忘れていた炎を思い出したんです。

「男も女も関係ない」とは言わない。
男には男の良さが、女には女の良さがあって、それぞれを伸ばし輝かせることは大切。
だけど、女だから殺陣は出来ない、と、最初から扉を閉じてしまうのは違うんだな、と思いました。


とても、カッコ良かったです。
女なのに殺陣に混ざっていたからカッコ良いのではない。
ひとりの人間として、殺陣の歯車のひとつとして、とても輝いていたから、カッコ良かったんです。

 

ひとりの人間として、どう生きるか。
女性として、殺陣を立派にやりきる。そのためにどれだけの練習を重ねられたことでしょうか。どうしても、体格差はある。筋力差もある。そこを克服するためには、男性とは違った努力をされたと思います。
私達が、ひとりの人間として、今この若さにおいて与えられた時間は「ひとりの人間が生きる分」だけ。どうがんばっても、二人分は生きられない。
与えられたたった一つの人生を、その時間を、殺陣という技術に費やされた。
その結果を、私は見せていただきました。
同じ時間を、私は別のところで生きていた。私には私なりの戦いがあって、私は私の人生を生きた。
また別の人は、その人なりの戦いをして、その人の人生を生きたでしょう。

 

この舞台が終わったら、きっと皆さんバラバラになって、それぞれの人生を生きていくんだと思います。
ひとり分の、人生を。
そこでどんな選択をし、何に命を燃やし、何を得て、また、何を選択せずに失っていくのか。

 

あの完成された殺陣を拝見しながら、他の選択肢を捨てて「殺陣」というひとつの技術に対して燃やされたひとり分の人生の重さを、ひしひしと感じていたんです。

 

このことは、この作品のストーリーにも濃く染み込んだテーマだったと思います。

 

あなたの人生はあなたのもの。自分の人生は自分で決める。

 

私も生きようと思います。
私に与えられた、人間ひとり分の人生を、どう生きるのか。


ストーリーを通して、幕末の剣士たちの人生を見た。

そしてそれを演じ見せて下さった演者さんの人生を見た。

 

今、生きている自分の人生について改めて考えるキッカケをいただきました。

 

負けねぇぞ!!

 

※「人」が際立っていた舞台でしたので、演者さんおひとりずつのレポートも書きたいんですが、盛大にネタバレになってしまうので、今回は(今は)控えておきます。でもね書きたいこといっぱいあるの!!本当に素敵な皆さんだったんですよ!!チャンスがあれば書き足したいと思います。

 

今回も、お読みいただきありがとうございました✨