10【ノートルダムの鐘 1公演1豆知識チャレンジ・入門編】  

ノートルダムの鐘 1公演1豆知識チャレンジ・入門編】
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私と友人の間で挑戦している1公演1豆知識です。

2019ノートルダムの鐘 京都公演中、1公演1豆知識を目指して書いています。
友人はHND初心者ですので、豆知識は入門用の内容です。内容は順不同です。

2週間分(約12公演分)でひとつの投稿にしています。
このページの最後に、他の投稿へ飛ぶことの出来る目次ページへのリンクがあります。

 

注意

  • ネタバレを含みます。特にネタバレだなぁと思うところには、【ネタバレ】と書いておきます。
  • 公式に発表(イベント・アルプ・メディアなど)されている内容もありますが、私の個人的解釈のものもあります。
  • 間違っている可能性も大いにあります。

ご了承下さいませ。

 

 【重要】
豆知識10の、この記事では、物語の核心に触れるネタバレを扱います。

ネタバレが気になる方は、この記事自体を全て飛ばして下さい。

 

CDの歌詞カードを見た友人が「会衆って何?」とずっと前に言っていて、その話題は私達の間では解決済みでした。
でも、重要なネタバレであることと、大切なタイミングで載せたかったので、ここまで温めてきた話題です。


118. 会衆って何?
何かの目的で集まった人々のことを言うみたい。特に、宗教的な意味で。
(12/3)

 

119. じゃ、フード着てるあの人達は、宗教……ここではキリスト教の信者で、集まった人ってこと?

そう。
だけど、実は私達「観客も会衆」なんだよ。
(12/4)

 

120. まず、舞台上の人たち。
あの人達は、年に1回集まって、カジモドのお話をみんなに伝えたいと思って、舞台上(ノートルダム大聖堂)に来た「会衆」なの。
(12/5)

 

121. そして、私達観客たち。
私達観客は、舞台上の会衆が演じる劇を観に来た観客であり、その為に集まった「会衆」なのです。
(12/6)

 

122. ノートルダムの鐘という作品は、舞台上の会衆が演じている劇なのです。
昔、まだ識字率が低かったとき、教会は学びの場でした。民衆は教会に集まって、神父さんのお説教を聞いたり、ステンドグラスの絵を見たり、教会で演じられる劇を見たりして、キリストの教えを学んでいたのです。

この作品は、「教会で演じられる劇」なのです。
さっきも書いたけど、舞台上の俳優さん達は、『年に1回集まって、カジモドのお話をみんなに伝えたいと思って、舞台上(ノートルダム大聖堂)に来た「会衆」』なの。
私達は、その会衆が演じている劇を見ているのです。
だから、役者さんが今の状況を説明するようなセリフがあったり、フィーバスが自分自身の行動を「彼は◯◯した」のように説明するセリフがあったりします。
(12/7M)

 

123. だから、あの空間は、大聖堂。
舞台と客席。
劇場全体が、ノートルダム大聖堂なの。
客席の扉を開けた瞬間、私達は大聖堂に入っているの。
(12/7S)


124. 私がずっと持っていた疑問。舞台上の「会衆」はいったいいつの時代の人なのか。
カジモドのお話を演じてる人たちを見ているのだ、という設定を知った後も、「ならばあの人達はどの年代の人なんだ?」という疑問が私にはありました。
教会でそんな事が行われてたのは印刷技術が確立される前なんだよね?とか、衣装とかもめっちゃ古い設定やん、とか。
ここからは私個人の解釈だけど、私の疑問「いつの時代の人なのか」の答えは、いつでもよい=自分(観客)が感じたまま、それが正解だ。ということ。
中世の教会だと感じれば、それはそれで正解。
そして、今、現在、まさにこの今を生きている、ありのままの俳優さんが演じてくれていて、私もまたリアルタイムの観客なのだと感じれば、それはそれで正解。
(12/8)

 

【ここで、124までの話題から一旦離れます。128から再開します。】
125.   'ANAKΓH    アナンケ。宿命
2019.12.11
ノートルダムの鐘日本公演3周年おめでとうございます。
アナンケ。
今日のこの日はどうしてもこの話をしたい。
'ANAKΓH    アナンケ。
ギリシア語で、宿命。
ノートルダムの鐘という作品において、とてもとても大切な言葉です。

この言葉がなかったら、この作品は生まれなかった。
(12/11)

 

126. この言葉が全ての始まり。
この作品の原作者ヴィクトルユゴーが、ノートルダム・ド・パリを書こうと思うのがキッカケがこの言葉なんです。
原作:ノートルダム・ド・パリの冒頭、この言葉についてのエピソードから始まります。この原作を全部読むのは本当に大変なんだけど、ここの前文だけでも読んでみて。ざっと10行ぐらいでいいから。
ここには書けないけど、痺れるから。
本当に本当に読んでみて。
それを読んでからノートルダムの鐘を観劇すると、世界が変わります。
(12/12)

 

127. 舞台の 'ANAKΓH
私は演劇の舞台に立ったことはないのだけど、舞台には立ち位置を決めるために番号が振られてるそうです。
その、0番にあたる、ど真ん中。
本来なら0という数字が書いてあるはずの所に、ノートルダムの鐘の舞台では 'ANAKΓHと書いてあります。
ノートルダムの鐘の舞台は真っ直ぐではなくて、客席側に張り出しているんだけど、その、ど真ん中に、書いてあります。

舞台の中心に。
大切な言葉が刻まれている。

この文字、実際に私達も拝見することが出来ます。
触ったり、写真撮ったりは絶対にダメだけど、見るだけなら、開演前や幕間に最前列まで行くと見れます。
(12/13)

 

【もとの話題に戻ります】
128. グレーローブを着ているときは「会衆」
舞台上こ俳優さんには◯◯役ってちゃんと役付けがあるわけだけど、グレーローブを着ているときは誰でもない会衆って解釈すると良いと思う。CDの歌詞でも会衆って書いてある部分とかは特に。
顕著なのは2曲目のThe Bells of NotreDame。
(12/14M)

 

129. The Bells of NotreDameの会衆たちは、最初、誰が何の役なのか決まってない。
冒頭に登場するグレーローブさんたち。ってか全員グレーローブなんだけど。
出て来た時点では、誰が何の役なのか、決まってないんです。

自分で宣言して役が決まってく。
Bellsで登場したグレーローブ(会衆)さんは、歌のタイミングで「今日は私がこの役をします」と宣言していくの。
それで配役が決まっていくの。
その事が分かりやすいのは、ジェアンが決まるとき。
先に役を取ったクロード役と顔を見合わせて、会釈してローブを脱ぎます。その瞬間、他の会衆は全員ジェアン役を見て、うなずかずとも合意している様がわかります。
あと、動作が顕著なのはカジモド。
上手、下手と、全員を見回し、決意を伝えてから、カジモドになる。
(12/14S)

 

130. Finaleでは役が解かれる。
Finaleのクロパンの歌で、全員の役が解かれて、「いち、会衆」「ありのままの、人間」に戻るのがわかります。
さあ そろそろこの物語も終わりが……
(12/15)

 

 


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