プロになるということ

プロになるということは、止まらない列車に飛び乗るようなものだ。
もう2度と降りる事はできない。
負けて転がり堕ちるまでは。
3月のライオン

 

うん、わかる。


私の感覚は、高速道路に乗ってしまって、自分の限界に近い速度で走り続けないといけない、って感じでしたが。

 

列車に乗っている間は、振り落とされないように必死でありながらも、充実していたのです。


いろんな街を過ぎ、いくつもの駅を通り過ぎました。
絶景もあって、感動して、この列車に乗って良かったと、涙したことも何度もある。

 

でも止まることは出来なくて、次へ次へと前に進まねばならなかった。

進むだけじゃなく、常に向上し、質を高めねばならなかった。

 

プロですから。


自分の思うペースで走れないこともあった。

行きたくない目的地でも、列車が進めば行くしかなくて、文句たらたら垂れながら、それでも従って進んでいた。

 

止まらない列車。
止まることは、許されない。


だって、プロだから。

 

 

 

 

私は、その列車から、降りました。

 

列車から降りて自分の足で駅に立った時、顔に感じる自然の風の優しさに驚いた。
びゅんびゅん走る列車で顔に当たる風は、目も開けられないような暴風だったけど、
列車を降りたら、柔らかな風を感じ、陽の光を感じ、足元の土の感触を感じた。

 

たっぷりある時間を、自分の為に使った。

 

勉強も良し、じっくり絵を描くことも良し、スキーに身を尽くしたし、いろんな山に登った。
そして、劇場に居場所を見つけた。

 

列車に乗っていても出来なくはなかったけど、「次の発車までには帰らなきゃ」のプレッシャーがないからこそ、ふらりふらりと寄り道が出来て、寄り道した先でまた新しいことを発見できた。

 

でも。
自分の横をどんどん通り過ぎていくいろんな列車に、

未練がある。

劣等感がある。
こんなところに立ち止まっていていいのか、と不安に押しつぶされる。

 

そして、一度降りてしまうと、もう一度列車に乗るのは至難の業なのです。
立ち止まって景色を観ることに、意味はあった。

でも、もう一度列車に乗るには、相当の努力をしないと戻れないことを、覚悟せねばなりません。

 

私は、列車を降りたのではない。
負けて転がり堕ちたのだ。
これは、認めねばならない事実です。

 

次はどの列車に乗るつもりなんだろう私は。

 

今回も、お読みいただいてありがとうございました✨✨✨