舞台レポ:【2019.10.6 東京図鑑 新宿】千穐楽

【2019.10.6 東京図鑑 新宿】千穐楽

東京図鑑、というミュージカルを観に行ってきました。


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ソングサイクルミュージカルってジャンルのミュージカルなんですけども。

ミュージカルの定義ってなんなんだろうね。
あぁいう形のものもミュージカルって言うんだな~。

ミュージカルの定義ってなんなのかなって、今、wikiで調べてみたけど、


ミュージカル - Wikipedia

また、オペラとミュージカルの両方を書いているレナード・バーンスタインは、歌によってドラマが進行するのがオペラで、ドラマの結果としての感情を歌に託するのがミュージカルと定義しているが、これもひとつの説にすぎない。

なるほど。
オペラ座の怪人の進行を思い出すとバーンスタインの言ってることはイメージしやすいね。
CATSみたいのはブックレスミュージカルって言うらしい。詳しくはwikiのページをどうぞ~(←投げたw

 

で、今回はソングサイクルミュージカルというジャンルだったわけです。
今回の作品「東京図鑑」の制作元のMerryCreationさんによると、

ソングサイクルミュージカルとは、一曲一曲で完結する楽曲が連なる作品のこと。

うんうん、そうでした。
1曲ずつで完結してて、次々演奏される歌には一見関係がないように思えるけれど、よく聞くと繋がっていて、全体でひとつのストーリーになっている、っていう。

今回の舞台は、インドカレー屋さんの中にあるステージみたいなところだったんだけど、つまり、舞台セットも大道具もない、バンド用のドラムとキーボードとマイクスタンドしかないような、ライブ形式の舞台だけ。

(あ、私、岩井さんオススメのバターカレーを食べたんだけどめちゃくちゃ美味しかったし、店員さんが最高に優しくて素敵でした✨)

 

でもそこで、めくるめくストーリーが展開していって、最後には「幸せのカタチ」が見つかるという。

人が歌う。
そのパワーと可能性と奥深さを感じました。
大がかりな舞台セットがあるミュージカルはそれはそれでもちろんひとつの芸術だけど、シンプルな舞台上にいるひとりの人間がどれだけの可能性を持っているか。

なんかねぇ、とっても面白かったです。
行ってよかった!

さて、私の独断と偏見のレポートというか感想というかを書き残しておこうと思うんですけども、何のために書いているのと言われたら、いろんなモノに触れた時の自分のフレッシュな感覚を書き残しておこうっていうのがまずひとつ。これを積み上げて行くと自分の感覚が蓄積されていくわけで、次に同じようなチャンスが訪れた時に、自分の感覚にどんな変化が起こったかわかるなぁ、っていうのがいちばんの理由なわけです。
あと、これは、私のほんっとに自意識過剰なアレなんですけども、この文章が誰かの役に立ったらな、っていうのも思っていたりします。
おっきいミュージカルに行くよりも、こういう小さいハコに行くのってちょっと勇気が必要だったりするんだけど、「行った事ないしどうしよう」って人がこの文章を読んで下さったとして、「あぁ、こんな感じなんだ」って安心して一歩を踏み出してもらえるちょっとしたお手伝いになったらな、とか。あとは、音楽やミュージカルをちゃんと勉強したわけではない、一般人の私が作品に対してどんな感想を持ったのかっていうのは、創る側の方にもお役に立てる資料なのかしら、なぁんて………自意識過剰っす、はい、すみません。

と、書く前に照れ隠しみたいなことを長々と書いてお茶を濁してみました。はい。

書き始めた今、どんな形で文章が進んでいくのか全く先が見えませんが、始めてみます。
(ちなみに、今、遊んでほしいテンション爆発中の鳥との攻防戦を繰り広げていますので、右手一本でキーボードを打ちながら書いていきますw)


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まず、セットリストなんですが、当日はなかったので、頂戴したチラシに全部メモってきたんですけど、後でクリエイターさんのツイートを拝見いたしましたので、こちらを参考にさせていただきます。

 

【本日の出演者さん】(敬称略)

内田莉紗  久信田敦子  津久井舞   鈴木美緒  岩井萌  佐藤愛香  宮本優輝  柴野瞭

 

01 Opening Theme of ”東京図鑑

いきなり全員登場の大作の曲!
狭い(←ゴメンナサイ)ステージいっぱいに並ばれた皆さんの声、そこから届く音はね、ステージの人口密度なんかよりずっと密な音圧で、「音」がその場を満たしました。
これ!!これが好きなんです、私。
大きなステージには大きなステージの良さがあると思うけど、小さなハコが音で満たされる、あの感覚が本当に好き。
願わくば、生音が良かったけれどもまぁそこは我慢我慢。
だんだん重なっていくハーモニー、ユニゾンからバッとハーモニーに分かれるところとか、とっても好きです。
今日のミュージカルへの期待が何倍にも増幅される1曲でした。

 

02 東京でハッピーエンドは書けない

内田さん。
うぉぉぉ透き通ったお声!
東京でハッピーエンドは書けない。出会う人みんな病んでるよう
小説家志望さんの役なのね。道行く人にインタビューするんだけどみんなに断られて。
……作品違いのことを思ってしまうのはなんだか失礼かなと思ったんですが、語りの声が「あぁ、カイリだ」って。
内田さんはキングダムハーツのカイリの声優さんでいらっしゃいます!
まぁそこにフォーカスするのはやめとこうw
歌声もとても透き通ったお声でいらっしゃって、そして、表情がとても素敵。
美人系のスッキリした表情の中に、青く光る悲しい表情。少し悲し気な表情がとても素敵でした。

 

03 タピオカへ

柴野さんっ!!
か、か、か、可愛いっっす!
タピオカお前調子乗ってるな」って、もう、笑っちゃったよ。
この時点ではまだ観客も探り探りの反応だったんですよね。笑っちゃっていいのかな~っていう。
でも、あのとびきりの笑顔と弾ける歌声に、黙っていられなかったですよ。
この曲では、柴野さんの表現の幅に感動でした。
タピオカに対してやきもち焼いて語りかけるときの声と、タピオカを飲んでみたら美味しかったっていう弾けた声の変化!
ドキドキしちゃったよね。

 

04 Snow Woman

鈴木さん。
めっちゃ可愛い…!!
世界観を作るのがとってもお上手だなって思いました。大きな動作をするわけではなく、マイクの前で動ける範囲のパフォーマンスなんだけど、とても自然だし、奥行きが見える空気感で、すごく曲に入り込みやすかったです。
SNOWなくても私にはウサギのお耳が見えてました✨

 

05 シャンシャンが僕に言ったんだ

あれっ、柴野さん再び!
ひとり1曲じゃないんだ!ってここで初めて知って、それはつまり「この次は誰かしら♪」の楽しみが2倍になるってことで。
今度はスーツ姿の柴野さん、似合う……ご馳走様でした。←w
ここでも、声の変化にドキッとしたんです。会社が嫌になっちゃって上野動物園に行っちゃうんだけど、悩んでる時の重めの声と、開放感に溢れる声の変化ね。
この記事の最初で、ミュージカルとはなんぞやってことを書きましたけども、舞台セットもないし照明も変わらない今回のステージだったけど、柴野さんの声にはちゃんと色があったし、風景が変わりました。
それにしても今回は可愛い系で攻めてくるのね、しばのん!

 

06 大人になってね

佐藤さん。
か、か、可愛い……!!!
プロフィールを拝見すると、高校生でいらっしゃるとか。で、その彼女が、早く大人になりたいって歌うわけです。
めっちゃ皮肉なのね。観客はほとんど大人だから、もう、笑っちゃうしかないよね。
自分の機嫌を周りに押し付けてみたい」とか、もう、耳が痛すぎて笑っちゃうよね。
この辺で、それぞれの歌い手さんのキャラも活かされた配役、演出になってるんだな、って気づき始めます。

 

07 保育園落ちた日本死ね

鈴木さん、津久井さん、岩井さん。
女の生き方が多様化してきたっていう割には、「女とはこうあるべき」みたいな、女の正解ってのはまだ根強く残っていて、どこが多様化してきてんだよ、って歌ね。
ごめん。
私、この手の歌は嫌いです。正直に書くことにしよう。
貴女たちは若いじゃん。まだどうなるかもわからんでしょうよ。そんな若い子らに「結婚だけが正解じゃない」とか言われてもねぇ。本当にそういうことを感じていて表現されているんだろうなと思うけども、本当にその毒針の中を生きてきた私からすると、何もわかってないくせにって思うのよね。
それよりも、若いながらも音楽の世界で生きようとしたら男女差別を受けた、とか、経験の有無だけで道を閉ざされた、とか、貴女たちだからわかる理不尽さについて歌えばいいのになって思う。一般論で女性進出についていろいろ議論されてる、その表面だけをさらって、さも「私たちは傷ついています」みたいに言われても、それは本当の言葉じゃないでしょ。
BBAの戯言です、はい。

 

08 Gender Role

これはわかる!!!めっちゃわかる、と思いながら聞いた曲。
(さっきの曲のテーマが嫌いだったから、まずこんな感想から入ってすみません)
女性で高学歴で研究者とか目指してますっていうと引かれる、って曲だったんですけどね。女は可愛く、一歩引いてるのが正解、みたいな。
自分が高学歴かとかそんなことで共感したのではなくて、期待された姿でいないと反感をくらう、っていうシチュエーションがリアルで、そして本当にその場面に出くわしたからこその視点なんだろうなって思えたこと。
さっきの曲には反発しといて、これには協調するという、わがままな客よね私w
さっきの曲との違いは、「本当の声かどうか」なんだよね。どっちも、実際にはそういう場面には出くわしてなくて、想像から生まれた歌なのかもしれないけど、歌い手さんの声に共感できるかどうかってことが違うんだよね。
さて、津久井さん。
美人さんでいらっしゃいます!大人な雰囲気を演出されるのがとてもお上手で素敵!
可愛さを出しながらも、途中で悩んだりハッとしたりするその変化もとても分かりやすくて、歌の構成にまんまと騙されました、私。
そうきたかぁぁウマイ!ってなりました。

 

09 シンデレラの上をいけ

岩井さん。
キターーーーーー!圧倒的歌唱力!
いつも思うけど、岩井さんの声には強さがあるんだよね。
おとぎ話のプリンセスの最後のページには疑問がある、とっても幸せに暮らしました、めでたしめでたし、ってそれがゴールじゃないし、その後ずっと幸せなだけじゃないじゃんって歌なんですけど、岩井さんのパワフルボイスでこのテーマを聴くと、もう、全力でうんうんうんうんってうなずいちゃう。
私はいろんなコンサートで岩井さんの声を聴いているので、今回のような表現は岩井さんの声の色のほんの一部でしかないって知ってるんですけど、この、今回聴くことが出来た色っていうのが、本当にピッタリで、1色に見えてその中に七色の変化があって、ほんと、聴いてみて、すごいから。

 

10 Actress for Him

久信田さん。
うまっ!!!やっばい、とにかくウマイ!!!
ヴィランズやってください、お願いします。
フラれた彼氏に近づきたくて、電話の向こうで別人を演じてでもコミュニケーションをとるっていう、ストーカーど真ん中の役なんだけど、もう、最高でした。
演じていますっていうのをどう「見せる」のか、その匙加減がもう最高。めっちゃ笑っちゃった。
声、表情、動作、空気感、どれをとってもサイコーだったけど、特に、声ね!声の表現が、音色だけじゃなくて、なんていうかなぁ、薄さと厚さみたいな、薄さと熱さみたいな、そういう幅の表現もあって。
いやぁおもしろかったです。

 

11 ミュージカル病

宮本君!!!そして、佐藤さん。可愛いw
今回は素の宮本君を見ることができた気がしましたw
もちろん演じていらっしゃるんだけど、実物大の宮本君のエッセンスが多めに混ざっていたんだろうなって勝手に思っていまして。等身大の中で表現をするってすごいことだよね。素人が演じちゃうと、等身大を越えて、演じる成分が濃すぎちゃうんだけど、等身大の中に何層もの表現が見えて、すごいなって思ったんですよ。
なんでも歌にしちゃうミュージカル病の彼女をもった男の子の話なんだけど。ミュージカル病の彼女の佐藤さんがとにかく可愛いの。そして、その声にもビックリ。すげー、さっきSNOWでうさ耳が見えてた彼女とは全然違う!

 

12 フォトジェニック彼氏

これは絶対歌ってるみなさんも楽しかっただろうなっていう。
そして、創ってる人も楽しかっただろうなていう。
楽しいがてんこ盛りの曲でした。
岩井さん、津久井さん、佐藤さん、鈴木さん。
なんだろう、ダンス踊ってるわけじゃないのにダンスが見えてくる楽しさよ。「ありがち」な仕掛けが仕込まれてるんだけど、途中からあぁこのパターンねってわかるわけ。そしたら、もう安心してその用意されたレールに乗っちゃって、壊れていく様を楽しんじゃえるっていう。

 

13 僕の彼女/私の客
  Ⅰ - 僕の彼女 -
  Ⅱ - 私の客 -

岩井さんと宮本君。
こーーーーれーーーーーはーーーーーーー!!!
やられたぁぁぁ!!!!っていうw
めっちゃおもしろかった!!!
えーーーー、そうくるの???っていうw
ネタバレやめときますw
観て!サイコーだからwww

 

14 最高の死に方

泣いた。
いや、これ最高。
佐藤さんと柴野さん。
どうしよう、これもネタバレやめとこうかな。
とにかく、言えるのは、こんな彼氏いたら本当に最高だなってこと。
彼氏じゃなくても、こんなふうに自分のことを見ていてくれる人がいたら、最高に幸せだなって思った。
柴野さんがもうドンピシャのハマり役で。
うぉぉぉ最高だぁ。

 

15 私の人生

これも泣いた。
ミュージカルの最後に向かって、どんどんどんどん私の感情の箱を開けられていく感じ。
久信田さんと内田さん。
久信田の濃い演技力と、内田さんの自然で透明感のある演技力が混ざり合っていい色を出していました。
私自身の幸せの価値観」「ハッピーエンドよ、私にとって。
幸せのカタチが無数にある街。
東京。

 

16 Ending~Epilogue of "東京図鑑"

もう、感動いっぱいで、こんな世界もあるのかと、全力で拍手しました。
幸せに定義はない。
懸命に生きてるってことを、胸を張って自慢していい街。
東京。

 

あぁぁぁぁぁ東京行きたい。
訂正、東京に帰りたい……
いや、京都でもいいんですよ、もちろんここも良い街だし、自分が一生懸命生きるのに、場所は関係ない。
ここだからこそ出来ることもある。
でも、東京、いいよね……

 

終演後は、演者のみなさんとお話しさせていただきました。
今、目の前ですごいステージを見せてもらった直後に、その舞台上にいた演者さんと直接お話するのって、実はめっちゃ照れるんですけど、この時間は本当に宝物だからね、照れてないでお話しすべき!絶対。
何話したらいいかわからないってのが本音だと思う。特に、大きく感動した後だと、本当に照れくさくて逃げ出したくなっちゃうんだけど、今胸にあることをそのまま出すだけでいい。「すごかったです、感動しました、ありがとうございました」それだけでいいから、お話しすべき。
同じ時間を、同じ感動を共有したからこそ通じ合うものが、そこにあるから。

 

楽しかった!
みなさんありがとうございました!

 

(最後まで右手一本で打ったよ……鳥は左手で片足で居眠りしています。そろそろ痺れてきたから動いてほしいよぉ💦)